深層学習を用いた行動解析ツール DeepLabCut

DeepLabCut

(上の画像が論文へのリンクとなっています。)

生物学における行動解析は非常に重要な実験であり、特に脳の理解には行動を正確に定量が必要不可欠です。

従来ではマーカー(センサーなど)を実験対象(人や実験動物など)に用いることによってポーズ推定を高精度で行うことができました。
しかし、センサーを用いるということは実験対象にとっては邪魔なものとなり、それによって行動が変わったり、行動の制約が生まれたりする。

マーカーを用いない方法として、スケルトンモデルを適用するという方法があるが、スケルトンモデルの開発は時間がかかり、大規模に行うこととなリマス。
画像からポーズ推定のシステムもあるが、これはポーズ推定に伴うデータ量が膨大となり、これもまた設備の問題で一研究室が行うには非常に困難でした。

DeepLabCutではパソコン一つあれば誰でも、そして非常に簡単にポーズ推定を行うことができます。
深層学習を用いた画像認識によって、マーカーレスで、そして自分の好きなところを認識し追跡することができます。

また、深層学習によりマーキングしているため、撮影した動画を補正することなく解析することができます。
つまり、解析しようとするフィールドの光が均一でなくても、また角度によって映像が多少歪んでいたとしても、トラッキングすることができます。

DeepLabCutの開発した研究室のページはこちらから。
GitHubについてはこちらから。

実際にDeepLabCutを使用してみて、解析に用いるパソコンのスペックとして、GPU(グラフィックボード)のメモリが8GB以上というのが必要であるとわかりました。
ゲーミングPCのGPUではミドルエンドからハイエンドのGPUであり、普段使用しているノートパソコンでは快適な解析はできないことがわかりました。

ただそのようなハイスペックのパソコンがなくともGoogle Colaboを使うことによって仮想GPUを使用し、解析をすることができます。
ただまだやったことはないですが・・・。

実際の解析では、プロットの精度は非常に高いと感じました。
ただ学習させるデータと違う背景であったりすると、うまく解析してくれないことがよくあり、学習させるデータは実際に自分が解析したい環境を想定し、それに近い環境の学習データが良いと感じました。

DeepLabCutは自分の興味のある数カ所のプロットだけではなく、解析に使わなくとも調べたい実験対象のある程度の骨格など全体をプロットすることで、よりプロットの精度が良くなることが論文で示されていました。
また、学習し、解析したあとでうまくいかない時には、そのうまくいかないフレームを排除したり、新たな学習のデータセットを追加したりでき、学習を能動的に改善することができます。

DeepLabCut自体使い勝手は非常に良く、誰でも簡単に使用することができます。
ぜひ解析に使ってみてはいかがでしょうか。

DeepLabCutのインストールや使い方の説明を今後していきたいです。


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